入札という言葉をほぼ初めて聞いた人も、何回か聞いたことがある人も、仕組みやメリットについていまいちよく分かっていない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな入札についてわかりやすく解説して行きたいと思います。
特に
- 入札のメリット
- 入札は中小企業にこそ取り組んで欲しいということ
- どんな仕事があるのか
についてお伝えしていきます。
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入札とは?
入札とは官公庁や地方公共団体が民間企業に仕事を依頼する際、原則使わなければいけない契約方式のことです。
地方公共団体(例):大阪市役所、兵庫県庁、NEXCO西日本、大阪市立大学
よくあるネットオークションではより高い金額を提示した人が落札となりますが、入札はその逆となります。外注された仕事に対して最も安い金額を提示した業者が落札できる仕組みです。
どうしてこのようなことをしなければならないのかと言うと
- 税金の無駄遣い
- 国と企業の癒着
を防ぐためです。
国や自治体の仕事というのは基本的に税金を財源としています。そんな仕事を高いお金で外注していたら国民は「無駄遣いだ!」と怒りますよね。加えて国と企業が密に繋がって多額の税金が特定の企業に流出しているとなればたまったものではありません。
しかし入札という仕組みを使えば、一番安い金額をオープンな場所で競うことになります。こうすれば無駄な税金も発生しないし、特定の企業が優遇されることもないというわけです。
入札に取り組むメリットは?
入札の仕組みはなんとなく分かった。でもどうして入札市場に参加することが中小企業にとっておすすめなのか気になっている方も多いと思います。
そこでここからは入札に取り組むメリットを紹介していきます。
具体的には以下の5つです。
- 低営業コストで仕事を獲得することができる
- 国や行政が相手だから仕事が無くならない
- 支払い遅延されるリスクが少ない
- 国や自治体と仕事をした実績になる
- 知っている人が少ない穴場な市場である
低営業コストで仕事を獲得することができる
企業が仕事を取ろうと思ったら
- 飛び込み営業
- テレアポ営業
- 反響営業のための広告出稿
などを行い、潜在客や見込み客を契約に導くために様々なコストがかかってしまいます。
しかし入札であれば、既にある仕事に対して落札したら獲得することができます。つまり営業不要で仕事を増やしていけるというメリットがあるのです。
中小企業、特に実績がない企業ほど営業コストがかかってしまうと思います。そんな会社にこそ、入札の仕組みを利用してビジネス拡大のきっかけに使っていただきたいのです。
国や行政が相手だから仕事が無くならない
入札マーケットの全体金額は年間で約20兆円。大手コンビニチェーン3社の売上が年間約10兆円ですから、その倍規模の仕事が年間を通して転がっています。
そのため企業からしてみれば、取引先の仕事が無くならないということを意味します。
民間企業との取引では、相手の事情で仕事が減ったり無くなったりすることは日常茶飯事だと思います。しかし入札市場は年間を通して途切れることなく案件が増えていくため、仕事が途切れません。
つまりコンスタントに落札していければ、売上が確保でき会社の存続も可能になるというメリットがあるのです。
また、たとえ入札に依存していないとしても仕事が途切れた時に「入札市場を見れば何とか食いつなげる」と思える場所があるのは非常に助かるのではないでしょうか。
支払い遅延されるリスクが少ない
事業を運営していると
- 取引先の企業がお金を払ってくれない
- 支払いが遅れて困る
- 急な減額を強いられる
といった困りごとに遭遇することがあります。
しかし入札におけるクライアントは行政ですから、上記のような困りごとに遭遇する確率は極めて低いです。
お金を払ってくれないケースはほぼ0%でしょうし、支払いも通常仕事が終わってから1ヶ月~1ヶ月半程度で支払われることが多いです。金額も落札金額が支払われるので、減額の心配もありません。
金銭トラブルのストレスなく仕事ができるメリットがあるのです。
国や自治体と仕事をした実績になる
先程から言っているように、入札を利用して獲得した仕事の取引先は国や自治体です。ということは、あなたの会社は行政から仕事を頼まれたことがある企業になります。つまり会社の信用度が上がる材料にもなるのです。
はたから見て
- 行政と取引がある会社
- 民間企業としか取引がない会社
どちらに仕事をお願いしたいでしょうか?
おそらく国関係と仕事をしたことがある人の方が信頼できそうと取ってくれる人の方が多いはずです。また、企業の信頼度があれば、営業コストが下がる要因にもなり得ます。
これから取引先を拡大していきたい中小企業にとって、実績はかなり大事な指標かと思います。その実績を伸ばすことができる点で、入札は大いメリットをもたらしてくれるでしょう。
知っている人が少ない穴場な市場である
これまで入札市場のメリットを紹介しましたが、このマーケット実はまだまだ知られていません。ビジネス用語で言うと、ブルーオーシャン市場なのです。
つまり今から参入すれば、先行者利益を得ることができる可能性があります。競争相手が少なければ落札価格も低くなりすぎないでしょうし、目当ての案件を落札できる可能性も高いからです。
今まで説明したメリットを多く享受したいのであれば、早めの参入をおすすめします。
ちなみに詳しくは後で説明しますが、国は中小企業の利用を促進するような取り組みを積極的に行っています。それにより中小企業の利用割合も高まってきています。
少しでも気になるなら、ライバルが増える前に初めて見てはいかがでしょうか。
でもどうせ大企業による落札が多いんじゃ・・・?
入札が中小企業にとってメリットがあるのは分かった。でもなんだかんだ大企業による落札がメインじゃないの?と思っている方も多いかもしれません。
確かに数十年前は大企業メインの市場でした。しかしここ数年の間に国は
- 独占禁止法の改正
- 官製談合防止法の改正
- 電子入札制度の導入
などの改革を行い、現在は入札ビジネスの60%以上が中小企業による落札になっています。
さらに国は「令和3年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を閣議決定したりして、中小企業による入札割合を増やす目標を掲げています。
つまり、現状もそうですが今後も中小企業にとって魅力的な市場になる可能性が高いので、「大企業ばかりが・・・」という考えは持たなくても大丈夫です。
建設系の仕事が多そうだけど、どんな仕事があるの?
中小企業にとってメリットがあることは分かった。でも入札って建設系の仕事が多いイメージで、自社に適した案件が無いのでは?とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際のところ全体に占める建設業の割合は3割程度。メインは物品・役務で6割程度を占めています。
役務(例):学校の清掃、市役所ホームページの保守管理、電話相談窓口対応など
そのため
- 各種メーカー
- IT系
- 広告・出版系
- 人材サービス系
- 警備系
- コンサル系
など、様々な業界の会社が参入できます。
ニュースなどの影響により建設系のイメージが強いですが、決してそうではありません。あなたの会社に合った案件がきっと見つかるはずです。
どうすれば入札に参加できる?
入札に参加してみたいなぁと思っても、始め方がいまいち分からないかと思います。
手順としては以下の通りになります。
- 入札参加ための資格を取る
- 入札する案件を探す
- 入札する
- 案件獲得
①入札参加のための資格を取る
実は入札をするためには資格の申請をしなければいけません。資格の名前は「全省庁統一資格」です。
細かいことを言えば大阪府なら大阪府、兵庫県なら兵庫県の資格を個別に取らないといけないのですが、この統一資格であれば1回の申請で全てに入札できるようになります。ですのでこちらをおすすめしています。
ちなみに申請時の費用はかかりません。
②入札する案件を探す
参加の資格を得れれば、あとは案件探しです。
官公庁や各自治体のホームページ等に案件情報が掲載されているので、そこに入札していく形になります。
③入札する
一番安い金額を提示できれば案件獲得になります。
④案件獲得
契約などを行い、実際に業務にあたります。
入札を始めるならツールの利用がおすすめです
この記事では入札の基礎情報から始まり、メリットや中小企業でも参加できると言うことをお伝えして来ました。会社の売上や実績を伸ばせる魅力的な市場だと思うので、興味がある方はぜひ参加してみてください。
ちなみに入札を始めたいのであれば、ツールを使って始める事をおすすめしています。なぜなら自力で案件情報を探すと非常に時間を奪われ、人件費が失われてしまうからです。
案件情報は基本的に各官庁、各自治体のホームページ等にばらばらに掲載されています。例えば同じ大阪府でも
- 大阪府庁
- 大阪市都島区役所
- 大阪国税局
- 淀川河川事務所
のように分かれていますので、各々ページにアクセスし案件情報を確認しなければならないのです。日本全国となれば莫大な情報量ですよね。
しかし入札ツールを使えば1つのサイトで全国の案件情報が確認できます。ジャンルや業種で絞って検索できるので、自社にふさわしい案件を見逃すことも減るのです。
もちろん1回自力でやってみても良いと思います。後日、効率よく集めたいなと思いましたら以下リンクにあるような入札ツールがありますので検討してみてくださいね。
なおシグナルグループでツールを申し込んでいただければ、先程お伝えした資格取得の手続きも代行できます。詳しくはお問い合わせください。