東京都福祉保健局のデータによると、コロナを機に健康意識が高まった人は8割を超えたそうです。特に、
- 食事の栄養面
- 調味料の質
- 添加物かどうか
などの「食」に対する関心が高まっています。
この傾向は外食産業にも影響してくるものと思われます。健康志向のメニューを取り入れることで集客面などに変化があるかもしれません。
そこでこの記事では、飲食店に健康志向のメニューを取り入れるメリットや、具体的なメニューについてお伝えしていきます。
飲食店に健康志向メニューを取り入れるメリット
健康志向の人が増えているとはいえ、自店に何らかのメリットがなければ取り入れるのは難しいと思います。
そこで早速ですが、飲食店に健康志向メニューを取り入れるメリットを紹介します。
下記の3つです。
- 集客になる
- 客単価が上がる
- リピーター獲得に繋がる
集客になる
1つ目メリットは、健康を売りにしたメニューを導入することで集客に役立つというものです。
例えば提供しているライスを、低糖質の玄米も選べるようにしたとします。
するとコロナを機にダイエットを始めた糖質が気になる方や、筋トレを始めた方を集客するきっかけに繋がります。
また、普段ダイエットはしていないものの、昨日食べ過ぎたからヘルシーなものを食べたい方などの集客可能性も高めます。
上記のような理由から、健康志向メニューの導入は集客メリットがあるのです。
客単価があがる
健康志向メニューは集客だけでなく、客単価向上に繋がるメリットもあります。
お客様に付加価値を感じてもらいやすいからです。
例えば
- 有機野菜を使用したサラダ
- 化学調味料不使用のハンバーグ
- オーガニックカカオを使ったチョコ
などが挙げられます。
矢野経済研究所のデータによると、オーガニック食品市場は毎年約3.2%成長を続けているそうです。
一般的な食材に比べて価格が高い傾向にある市場が成長しているということは、「高くてもオーガニックが良い」という人が増えているとも捉えられます。
こういったターゲット層を狙い、客単価向上を狙ってみるのはいかがでしょうか。
出典:矢野経済研究所「オーガニック加工食品市場の調査」
リピーター獲得に繋がる
ダイエットにしても美容にしても、ある食材を1回食べただけでは劇的な効果は見込めません。
継続して行うことで、数か月後に結果が出るものです。
つまり健康志向を気にするお客様に気に入っていただければ、定期的に来店してもらえる可能性を秘めています。
また、栄養バランスの取れた食事は調理の手間がかかることが多いです。自炊もしますが、外食の手も借りたいのが本音です。
そういったときに重宝できるお店になることができれば、継続的に通って頂けるのではないでしょうか。
健康を意識したメニューとは例えばどんなもの?
健康志向メニューを採用することで、一定数メリットが期待できることは分かった。
でもいざ取り組もうとすると、何をすればよいか迷う場合もあるかと思います。
そこでここからは、健康志向メニュー例をいくつか紹介していきます。
オイル系
油と言えば体に悪そうなイメージですが、近年事情は変わってきています。
体に良い油を取ることで、健康を目指す方が増えているのです。
オリーブオイル、えごま油、アマニ油などが代表格です。
主に美容や女性ホルモンを整える効果が期待できるため、どちらかというとターゲットは女性となります。
これらを使った料理、例えば
- オリーブオイルを使った「カルパッチョ」
- えごま油入りの「お味噌汁」
- アマニ油がかかった「サラダ」
などが挙げられます。
糖質オフ系
昨今、ダイエット手法として糖質制限が流行っています。
ごはんやパンなど炭水化物を控えることで、体内の脂肪を減らす効果が期待できるものです。
若い女性だけでなく、メタボが気になる中高年などにも広がっています。
低糖質のメニュー、例えば
- 低糖質でも満足度の高い「アボカドサラダ」
- 美味しく糖質制限ができる「豚しゃぶ」
- 痩せたいけどごはんが食べたい方に「玄米」
などが挙げられます。
発酵食品系
納豆や味噌などの発酵食品は昔から健康食品としてお馴染みですが、コロナによってその価値が再注目されています。
発酵食品を食べて得られる免疫力アップ効果が、新型コロナの重症化リスクを下げるとの報告もあるからです。
腸活・菌活といった言葉も生まれているくらい、若者にも人気です。
発酵食品メニュー、例えば
- 塩麹でつけた鶏で作る「てりやきチキン」
- お店で手作りした「ぬか漬け」
- 食後のデザートに「甘酒スムージー」
などが挙げられます。
オーガニック系
オーガニック食品も免疫力向上や基礎疾患予防が期待できるということで、需要が高まっています。
また、添加物や化学物質が体に悪いとの認識も広まり、少し値段が高くても選択する人が増加傾向です。
特にアメリカやヨーロッパなど外国では急速にオーガニック食品市場が進んでいます。
つまりオーガニック食品メニューを扱うことは、訪日外国人の集客にも影響を及ぼすと思われます。
例えば
- 無添加出汁、有機野菜を使用した「スープ」
- 防腐剤・保存料などを使用していない「ラーメン」
- 人工甘味料、合成着色料を使用していない「ドーナツ」
などが挙げられます。
コラム:健康志向だとわかるメニュー表示を行う
サラダにアマニ油が使われていたとしても、その表示がなければお客様に単なる油と捉えられてしまいます。
アマニ油と表記があっても、お客様がそれを健康に良いものと分からなければ価値が伝わりません。
そのため、お店に健康食品を取り入れる場合はメニュー表や店内POPなどで使用していることをアピールしましょう。
また、その食品が身体にもたらしてくれる効能などが分かると、さらに効果的です。
健康志向のお客様とは言え、みんながみんな知識を持っているわけではないですし、気づかない場合もありますので。
きちんと集客に活かしたいのであれば、惜しみなくアピールすることをおすすめします。
1種類でも良いので健康志向のメニューを取り入れてみては?
この記事では、健康志向のメニューを飲食店に取り入れるメリットなどをお伝えしました。
なお、取り入れるべきだからと言って、お店全体のメニューを健康志向にする必要はありません。
一部のメニューを糖質オフ系や発酵食品にすることでも、集客可能性は高まるからです。
例えば牛丼チェーンのすき屋には、牛丼ライトというライス部分が豆腐になっているメニューがあります。
通常のがっつりメニューの中に埋もれた健康志向メニューですが、糖質制限中の方を集客できていることからも言えます。
そのため、まずは1種類から健康を意識したメニューを取り入れてみてはいかがでしょうか。
きっとお店にメリットをもたらしてくれるはずです。