度重なる原材料費の高騰、アルバイト時給などの上昇により、利益の確保が簡単ではなくなって来ました。
これに伴い販売価格値上げへと踏み切る方もいらっしゃるかと思いますが、急に数百円数千円上げるのは避けたいため、同時進行で経費削減を検討していませんか。
そこで今回は飲食店向けの経費削減アイデアを7つ紹介して行きます。なおこの記事では店舗家賃の値下げ交渉など、かなり難易度が高いものは紹介はしていません。
飲食店向け経費削減アイデア7選
それでは早速飲食店向けの経費削減アイデアをお伝えしていきます。
先程も言った通り、現実的でない方法は省いています。
原材料篇
まずは原材料費の節約についてです。お店の平均原価率は30%前後と言われ、経費の中でも多くの割合を占めています。ここを減らす意義は大きいと考えます。
①大量発注で仕入れ単価を下げれないか確認する
普段仕入れている原材料に関して、一度に多くの発注をすることで商品単価を下げることができないか確認してみましょう。
ロスの問題もあるので生鮮品は難しいかもしれませんが、ドリンクやお酒などは比較的簡単にできると思います。また、大量に頼めば1ケースサービスしますと言ってくれる可能性もあります。
ちなみに生鮮品も冷凍食品を使えば大量発注の余地があります。味の心配もありますが、スープ用の野菜などであれば可能という方も多いはずです。冷凍食品は仕入れ価格を抑える効果に加え、廃棄ロスも減らせるのでおすすめです。
②違う卸売業者の利用を検討する
仕入れ業者によって得意不得意なジャンルがあります。お肉が安いところ、調味料が安いところなど、複数の仕入れ先を持つことでコストカットが見込めます。余裕があれば同じ肉でも鶏肉はここ、豚肉はここ、という分割の仕方もおすすめです。
また、複数社と取引することにより、今仕入れている価格の相場感に気づくきっかけにもなります。相場が下がっているのに高値のまま取引をするなんてことを減らせます。
③メニューを見直す
あまり売れていないが、そのメニューのために仕入れている原材料はありませんか?そのようなメニューは、思い切って無くしてしまうのも1つの手です。もし頼まれたらと思い仕入れるが、頼まれず廃棄を繰り返す食材は見切りましょう。
代わりに大量発注する材料や他のメニューと親和性の高いメニュー開発をすれば、より一層の原価率改善に繋がります。お通しなどもそういった材料で作れば無駄が無く利益率も上がるので効果的です。
水道光熱費篇
次は水道光熱費についてです。
何となくややこしそうなジャンルですが、実は一番手軽にできる経費削減項目です。
④電力会社を安いところに切り替える
電力自由化に伴い、今までの電力会社より安い会社が登場しているのをご存知でしょうか。そのような会社に切り替えるだけで電気料金が安くなるため経費削減となります。
工事は原則不要、今の電力会社の解約も新電力が行ってくれるため店舗営業の邪魔をせず節約することができます。料金単価が安くなるため、切り替え後はいつも通り電気を使うだけで安くなります。
ちなみに自店は賃貸だから変更は無理だろう...とお思いの方もいるかもしれませんが、基本的には切り替え可能です。
※2023年追記:燃料価格高騰により、新電力各社が事業撤退・倒産しています。関西電力や東京電力より安い金額を提供する電力会社は存在していますが、今後値上げや撤退の可能性もあるので現時点では今契約している電力会社のままが得策だと思われます。情勢が変わり、また新電力の方がお得になってきましたら再度更新いたします。
⑤節水グッズを利用する
水道代は電気のように安い業者などがありません。しかし蛇口に取り付ける節水グッズなどがあるため、電気と同じようにあとは使うだけで節約できる項目になります。
節水しつつ洗浄能力を上げることができるノズルなども販売されています。水道代だけでなく、液体洗剤の使用量削減や時短といった効果も見込めるのが特徴です。
その他経費篇
最後に、販促費と機材費についてです。
⑥販促費を見直す
あまり効果が出ていないのにも関わらず、利用し続けている販促費などはありませんでしょうか。実はB社の集客支援の方が自店に向いているのに、なんとなくずっとA社を使い続けているなんてことは多々あります。
販促費を見直すことは経費削減の意味合いだけでなく、来店数や売上などにも関わる項目です。この機会に一度見直してみることをおすすめします。
⑦次からは中古厨房機器にする
業務用冷蔵庫やフライヤーなどがもし壊れた際、新品を購入するとなるとかなりのコストとなります。しかしこれを中古品にすれば、大幅なコスト削減となります。
中古品はもちろん個体差があり、使用感があるのは否めません。しかしオープンして早期に撤退するお店も多く、比較的綺麗なものが残っていることがあるもの事実です。
次回厨房機器を購入する際は、中古品も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
安易にやってはいけない経費削減にご注意を
今回は比較的簡単にできる経費削減方法をお伝えしましたが、難しいものも含めればもっとたくさんの経費削減方法あります。
しかし注意して頂きたいことがあります。お店の質を下げるような経費削減は避けた方が良いと言うことです。
例えば人件費の削減などがそれにあたります。確かにアルバイトの方の時給を下げれば、相当な経費削減になるでしょう。
ですが
- 従業員の士気低下による効率ダウン
- 離職者の増加によって採用コスト増
- 優秀な人材が集まらない
など、トータルで見れば損をしてしまう可能性があります。削減額が多いからと言って、経営に響くような手法は安易に取らないことをおすすめします。