大豆ミートという食材をご存じでしょうか。

名前の通り大豆でできたお肉なのですが、大手飲食チェーンのメニューに採用されるなど、かなり注目されています。

この記事では、そんな大豆ミートについて解説していきます。

注目されている理由や、飲食店で採用することによるメリットなどもお伝えしているので最後までご覧ください。

大豆ミートとは

大豆ミートとはその名の通り大豆を原料とし、お肉のような見た目や触感に近づけたもののことを言います。

牛肉や豚肉の代わりになるお肉のことを代替肉と言い、大豆ミートは植物由来の代替肉の一種です。

地球環境の保全や、動物倫理などの解決策として注目されている食材です。

主にアメリカで市場が拡大しており、ここ数年は日本にも浸透しつつあります。

現に大手定食屋チェーンで採用されたり、スーパーやコンビニでも大豆ミート関連の商品を目にするようになりました。

2030年には今の8倍の市場になるという予測もあり、今後ますます注目される食材となっています

大豆ミートはなぜ注目されているのか

普段お肉を食べている人からすれば

  • どうしてわざわざ大豆をお肉にするの?
  • どうして注目されているの?
  • 普通のお肉のほうが美味しいと思うんだけど・・・

という疑問がわいてくるかと思います。

実は下記3つの要因が重なって注目されているのです。

ベジタリアン・ヴィーガンの人が増加しているから

1つ目の理由はベジタリアンやヴィーガンの方々が増加し、市場も拡大している点です。

近年、SDGsや動物愛護などの観点から、若者を中心に食生活を見直す方が増加しています

新型コロナウイルスの影響で健康志向の人が増え、菜食主義者が増加しているという報告もあります。

そのためかつてよりもベジタリアンやヴィーガンが増え、大豆ミートも連動して需要が伸びているのです。

健康・栄養面で評価されているから

大豆ミートには、肉や魚に匹敵するタンパク質が含まれています。それでいて低カロリー低コレステロールといった特徴があります。

そのためダイエット中の方、生活習慣病を気にしている方から評価され始めている、というのが2つ目の理由です。

また、豊富なミネラルや食物繊維・大豆イソフラボンなどが含まれていることから、美容と健康を気にする女性からも注目を集めています

環境問題に配慮された食品だから

3つ目の理由は持続可能な社会、いわゆるSDGsに配慮された食材だからという点です。

実はお肉というのは生産の過程で、いくつもの環境問題を引き起こしてしまいます

有名なもので行くと、牛のげっぷが地球温暖化を進めてしまうというものです。

その他、家畜産業は森林伐採や水不足なども引き起こすと言われています。

しかし大豆であれば地球への負荷をかなり抑えながら生産できるため、お肉の新たな選択肢として注目されているのです

コラム:タンパク質クライシスとは

タンパク質クライシスという言葉をご存じでしょうか。

タンパク質は体内で生成できないため、お肉などからとり続ける必要があります。

しかし2050年ごろ食肉の生産が追い付かなくなり、地球人口全員が十分なたんぱく質を取れなくなるかもしれない問題です

原因としては、牛や豚の餌となる穀物の生産には限度があることや、農地には限りがあることが挙げられます。

無理やり穀物を生産したり農地を広げたりすると、環境破壊を進めてしまうため限度があるのです

環境負荷を抑えながら生産できる大豆は、このタンパク質クライシスを解決する食材としても期待されています。

飲食店のメニューに大豆ミートを導入するメリット

多方面から注目されている大豆ミートですが、実は飲食店メニューとして取り入れることによってもメリットがあると言われています。

具体的には以下の3つです。

  • 食品ロス削減で売上アップにつながる
  • ヴィーガンや宗教上食べれない方を集客できる
  • 新たなお客様層拡大も狙える

食品ロス削減で売上アップにつながる

大豆ミートは製品にもよりますが、基本的には乾燥されたものをお湯で戻して使います。

つまり豚肉や鶏肉などと比べて消費期限が長く、無駄になりにくい特徴があるのです

したがって破棄食材がなくなり、最後まで売り切ることで売上アップに繋げられます。

長期保存ができるのであればまとめ買いができるので、仕入れ値を抑えて利益アップにも繋げられそうです。

ヴィーガンや宗教上食べれない方を集客できる

植物由来の成分だけで作られたメニューがないと、どうしてもお肉を食べない人の来店は望めません。

しかし大豆ミートを使ったメニューを導入することで、そういった方々も集客できるようになります

特に外国人は日本人よりもベジタリアンやヴィーガンの方が多いですが、そんな外国人がコロナの水際対策も終わり戻ってきました。

今後も観光需要は続くとみられるので、インバウンド集客を行うという意味でも、大豆ミートの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

新たなお客様層拡大も狙える

大豆ミートの話をするとベジタリアンやヴィーガンに焦点が行きがちですが、どのような人にもおすすめできる食材です。

大豆ミートが注目されている理由から考えてみても、下記の人たちは購入する可能性があります。

  • コレステロールが気になる50代サラリーマン
  • 美容が気になる20代OL
  • 環境問題が気になる10代学生
  • たまたまあっさりした料理が食べたかった40代主婦

ヴィーガンでなかったとしても、ありとあらゆる文脈で大豆ミートは選ばれる余地があります

つまり大豆ミートの導入で、新たなお客様層の拡大ができるかもしれないメリットがあるのです。

代替肉の市場規模は2030年に8倍も増える!?

2020年の大豆ミートを含む代替肉市場は110億でしたが、2030年には8倍の886億ドルになると予想されています。

世界の優良ベンチャー企業や大手食品メーカーも、こぞって投資や開発を進めているようです。

今後ますます注目を浴びる大豆ミート、環境のためにも売上のためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか

今ならまだ少数派なので、導入することで新しい物好きさんの集客や、取材等へ繋がる可能性もありますよ。